2022年に歌謡コーラスグループ・純烈を卒業し、ソロで活動中の小田井涼平さん。会社員を経てモデル、俳優として活躍し、その後、何もわからぬままに、30代後半から健康センターで歌い踊る純烈に身を投じることに。その経歴を、ユーモアたっぷりの口調で語ってくれた小田井さんの、THE CHANGEとは。【第3回/全5回】

小田井涼平 撮影/三浦龍司

 2022年12月31日の『第73回NHK紅白歌合戦』を最後に、純烈から卒業した小田井涼平さん。現在、さまざまなレギュラー番組を持つ中で、今年4月からNHK仙台放送局の『大好き東北 亭禅寺』のMCに就任し、新たなレギュラー番組が加わった。なぜ仙台なのか。それは小田井さんの経歴を語る上で欠かせないルーツがあるからだ。

「新卒で地元・兵庫県の会社に就職したんですが、いきなり仙台の支店に転勤することになったんです。ポケベルがギリギリあったような時代だから、日本列島がめっちゃ広い時代ですよ。

 同期の中で僕1人だけが仙台勤務で、最初は仕事を覚えなきゃ……という気持ちで、“がんばろう”としか思っていなかったんですが、半年くらいたつと仕事にも慣れて、ふと我に返ったんです。"俺、敬語しか使ってないな”って。上司と取引先のお客さんとしかしゃべっていなかったんですよ。それで急に、“友達ほしいな”って思っちゃって」

 新人サラリーマン・小田井涼平は考えた。

「友達ってどうやって作ったらええねん」

 たどり着いたのは、公衆電話だった。