1990年にTVドラマで俳優デビューを果たし、ドラマ『踊る大捜査線』シリーズ(フジテレビ系)の柏木雪乃役などで注目を集めた水野美紀。2007年に活動を開始した演劇ユニット『プロペラ犬』では主宰を務める。10代からCM、ドラマ、映画、そして舞台と様々なジャンルで活躍を続ける彼女だが、現在までの道のりにはどのような「THE CHANGE」があったのだろうか。【第3回/全3回】
「産休中、子どもを産むまでの時間って、人生で一番のんびりした時間を過ごせたと思う」と水野さんは語る。
「明日の仕事の心配はしないで、お腹の中の命を育てることが仕事という感じでした。自分で一日中、全部の時間を自由に何日も使える……ということが初めてだったんです。子どものおかげで、本当にゆったりとした時間を過ごさせてもらったなって思います。出産してからの育児はメチャクチャ大変なので、毎日が戦争ですけどね(笑)」
いま振り返ると、30代は毎日が仕事優先の日々だった。
「でも、20代もそうだったんです。10代後半からずっと仕事優先の人生って感じでしたね。人生は仕事が軸で、他のことは、まず仕事ありきで存在するといいますか」
──いわゆる仕事人間?
「う~ん……そうですね。仕事しかしてなかったですからね、ほぼ。昔の方がドラマも撮影に時間がかかっていましたし、それこそ朝から(翌日の)朝まで撮影してましたよ。だから、純粋に趣味を楽しむとか、そういう時間はなかったんです。休みがあっても舞台を観に行ったりしてましたから」