いま一番大事にしているのは健康管理
出産後、仕事に復帰すると、『探偵が早過ぎる』(2018年~/読売テレビ・日本テレビ系)でのドSな家政婦や『浦安鉄筋家族』(2020年/テレビ東京系)での普段はお淑やかだがスイッチが入ると暴走してしまう妻……などの一度見たら忘れられないような個性的なキャラを演じ、たちまちその存在感を見せつけた。
現在放送中のドラマ『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』(カンテレ・フジテレビ系)は、水野さん扮する55歳の玲子が”全身整形”を施し25歳のレイコ(齊藤京子)に変わってしまう……という奇想天外な設定だが、“怪演”俳優とも呼ばれる水野さんが演じると聞くと、妙な説得力を感じてしまう。
水野さんは「設定はとても荒唐無稽なんですけど、台本を読んだ時に読み物としてすごく面白かった」と語り、自分の人生を捨て、復讐へと突き進む母親役を熱演している。
「この設定を読んだ時に、自分の子供と孫が……となったら、玲子の様に復讐を果たそうとする行動を起こすというのは想像できます。だから今回は、玲子に感情移入し過ぎて、むしろ辛いぐらいです」
このドラマの記者発表会に水野さんは他の出演者とともに登壇した。会場に子役の佐藤大空が登場すると、ドラマでの悲壮感溢れる表情とは全く違う、明らかに優しい母親の顔を見せたのが印象的だった。
俳優、母、妻、事業者(肩書きは代表取締役)──これらをバランスよくやりこなすために留意していることは? と尋ねると、少しやわらかな表情を浮かべ、こう答えてくれた。
「健康管理です(笑)。昔と比べてちゃんと睡眠時間を確保しないといけないとか。時間を上手く配分したり、切り替えを上手くやらないと、時間が足りないし。疲れている状態だと、本当に効率が悪くなるんです。徹夜なんかしたら翌日は使い物にならないですし(笑)。ほんとに自分の状態を管理しないと色々と同時進行することはできないなというのは実感しています。睡眠時間が取れない時は、病院で注射を打ってもらったり、栄養補給してバランスを取りながら日々頑張っています」
(つづく)
水野美紀(みずの・みき)
6月28日、三重県生まれ。1987年に中学1年生で受けたオーディションをきっかけに芸能活動を開始。1997年放送のドラマ『踊る大捜査線』シリーズ(フジテレビ系)などで注目を集める。2007年に演劇ユニット『プロペラ犬』を旗揚げ。以降も、ドラマ『探偵が早すぎる』シリーズ(読売テレビ・日本テレビ)、『奪い愛』シリーズ(テレビ朝日系)などに出演。ドラマ以外でも占いバラエティ番組「突然ですが占ってもいいですか?」(フジテレビ系)に出演。『私の中のおっさん』、『水野美紀の子育て奮闘記 余力ゼロで生きてます。』などのエッセーを上梓。来年2026年度前期のNHK連続テレビ小説『風、薫る』への出演も決まっている。
【作品情報】
火ドラ★イレブン『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』
毎週火曜日 よる11時~11時30分 カンテレ・フジテレビ系全国ネットで放映中
出演:齊藤京子 水野美紀 白岩瑠姫(JO1) 大友花恋 香音 小林きな子 峯岸みなみ 水島凛 内藤秀一郎 竹財輝之助 新川優愛 ほか
原作:あしだかおる・アオイセイ『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』(ぶんか社刊)
脚本:川崎いづみ
演出:松嵜由衣 酒見アキモリ 木内健人 田中章一
(c)カンテレ
公式サイト: https://www.ktv.jp/musumenoinochi/