当時10代だった雛形あきこ、OLのストーカー役は「不安だった」

 “ドラマでの評価を初めてこの作品で感じることができた”と話す雛形さん。ただ内容はストーカーを題材にしたストーリー。10代の雛形さんには未知の世界だった。

「お話をいただいたときはとても不安でした。まず、OLさんの役でしたし、恋をする相手が陣内孝則さんで、年齢も離れている大人の方だったので、どうしよう、と。何よりストーカーの役だったので、すごくいろんなことが不安でしたね。ただ、監督やプロデューサーの方たちと、いろいろお話して、アドバイスもたくさんいただいて、とにかくやり切ろう、と開き直って向き合うことができたのが良かったのかなと思います」

 この『ストーカー・誘う女』で得たものは大きいという。

「演じる、ということよりも、とにかくみんなの力で作品を作っていく、という経験ができたのが大きかったなと思います。それで評価もいただけましたし、俳優のお仕事をしていくうえでの大事な変化の時期になりました」

 今でもこの作品は衛星放送などで再放送されていたりするが、「ご覧になることは?」とうかがうと…。

「なかなか観れないです。10代なので、あのときの私の精一杯で演じていたなとは思うんですけど、正直、今冷静に見るのは恥ずかしいですね(笑)。でも本当にたくさんの人に助けられて演じられた役だったなと思うので、忘れられない大事な作品の一つです」

(つづく)

​雛形あきこ(ひながた・あきこ)
1992年ドラマで女優デビューしたのち、1994年にフジテレビビジュアルクイーンに選ばれ、1996年には第33回ゴールデン・アロー賞グラフ賞を受賞。ドラマ等で活躍する一方、人気バラエティ番組「めちゃ²イケてるッ!」(めちゃイケ)では22年に渡りレギュラーとして出演。現在もドラマ・映画・舞台など幅広く活躍している。

(作品情報)
舞台『新 画狂人北斎』-2025-
演出:宮本亞門
脚本:池谷雅生
出演:西岡德馬(「とく」は旧字) 雛形あきこ
寺西拓人、廣瀬智紀、アイル・シオザキ、瀬尾タクヤ、花音、水谷あつし
声の出演:里見 浩太朗
2025年10月17日(金)〜紀伊國屋ホール(終了)他、全国11か所にて上演
公式サイト: https://no-4.biz/hokusai2025/