人気若手俳優・綱啓永さん。端正な顔と、クシャっと笑うギャップが印象的だ。ドラマ『未来の私にブッかまされる⁉』(NHK)など、等身大で演技に挑む姿に、多くのファンが惹(ひ)き付けられている。
そんな綱さんが今回挑戦するのは、ワタナベエンターテインメントが立ち上げたDiverse Theaterの第2弾、新宿・歌舞伎町の一角“トー横”を舞台にした舞台『Too Young』(2025年11月13日開演)だ。社会問題を正面から描く今作に向き合う心境を聞いた。【第1回/全5回】
新宿歌舞伎町の新宿東宝ビルの周辺エリアを指す「トー横」(※)。夜の街には、学校や家庭から孤立した中高生がたむろし、社会問題となっている。今作の『Too Young』はそんな世界に渦巻く人間の感情に切り込んでいく作品だ。
※東京都新宿区歌舞伎町の新宿東宝ビル周辺、またはその一帯を指す
スタジオに颯爽と入ってくる綱さん。にこやかで気さくなオーラと、ていねいな物腰に不思議と周りの空気が和やかなものになっていく。
──今回は「トー横」という社会問題を描いた作品ですが。演じるにあたって、綱さんはトー横や界隈に集まる「キッズ」たちに対して、どんな印象をお持ちでしたか?
「“知らない世界だ”というのが正直な印象でした。そして、そこで生活する子どもたちの境遇を知って、舞台でリアルに演じることへのプレッシャーを強く感じました」