役との共通点は「自分で言うのは照れくさいですが…」
──2025年11月13日の開演に向けて、精力的に稽古に取り組む綱さん。特に、今回のテーマは社会問題を取り扱うこともあって、お芝居の外でも、役に引きずられてしまうことがあるのではないでしょうか?
「いえ、それはそこまで。基本的に僕は“憑依型”というより“第三者目線”で演じるタイプなので、僕個人とはしっかり分けられていると思います。そのぶん、『綱啓永』が演じる意味を持たせたい。自分の持つ“色”を出すためにも、役柄と自分で共通する部分を見つけるようにしています。今回も、僕が持つ熱をジャックに投影できたらいいなと考えていますね」
──ちなみに、ジャックと綱さんの共通点はどんなところですか?
「自分で言うのは照れくさいですが(笑)。面倒見の良さや優しさは共通しているかなと。ジャックは“踏み込みすぎない”、“詮索しすぎない”と言いつつも、常に視界に子どもたちを入れて気にかけている、優しくて熱い人間なんです。僕も、妹がいることもあって“お兄ちゃんぽいね”って周りからよく言われてて(笑)。そういう点は演技をしているうえでも重なるんじゃないかなって思っています」