古川琴音は、俳優5年目とはとても思えないキャリアを重ねている。23年のNHK大河ドラマどうする家康』での千代、20年のNHK朝ドラ『エール』の娘役を筆頭に、印象的な役を演じてきた。大学在学中、就職活動を考えるタイミングで現在の事務所のオーディションを受け、合格。俳優としての道を歩みはじめた古川さんの「THE CHANGE」を聞いた。【第1回/全4回】

古川琴音 撮影/三浦龍司

 猛暑日が続くなか、取材当日もカンカン照り。取材場所の東映本社試写室で待機していると、爽やかな笑顔を浮かべた古川琴音さんがやってきた。「こんにちは、よろしくお願いします」と語る姿には疲れはまったくない。直前まで、オープンカーで銀座に凱旋し、レッドカーペットに立っていたのだ。

――さきほどは暑い中イベントお疲れさまでした。沿道の皆さんからの歓声は聞こえましたか?

「聞こえました。皆さん、目が合ったら手を振ってくださったんです。テーマパークのキャラクターになったような気分で楽しかったです」

 古川さんはプロの俳優になって5年目だ。中学、高校と演劇部に所属し、大学でも英語劇を披露するサークルに入っていた。仕事を始めたころと現在で変わったことと変わらないことについてたずねると、親しみやすい一面も見せてくれた。

「変わったことは、自分へのご褒美がどんどん豪華になってきたことです。最初はコンビニスイーツで、“これ頑張ったからコンビニスイーツ買って帰ろう”とか、そういう感じだったんですけど、お菓子の専門店で買うようになったりしました。

 あとは焼き鳥も好きなんですけど、今までは手ごろな価格で量が多いお店に行ってたのが、ちゃんと味を知ろうじゃないけれど、ご褒美として“たまにはちょっといいお店に行って自分をいたわろう”っていう気持ちに変わってきたかな、と思います」