学生時代に演じて難しかった役
『木の皿』はエドマンド・モリスによる戯曲で、1954年にイギリスで初演された。その後もたびたび世界各地で上演されている名作だ。
「特に3年目の『木の皿』は、おじいさんを老人ホームに送るっていうお話で、難しかったです。おじいさんを老人ホームに入れたいお母さんと、おじいさんのことを家で面倒を見たい孫娘の思惑だったり、そういう家族間のゴタゴタとかいろんな葛藤を描いた作品だったので。
私が演じたのはおじいさんを老人ホームに送りたい母親役だったんです。だから、当時だとあまり理解できない部分も多かったし、演じていて楽しい役ではなかったんです。ヒステリーを起こしたりとか、そういうのを理解するのが大変でした」
――俳優としてキャリアを積んできた今の古川さんがもし当時の役に挑戦したとしたら、どういった「CHANGE」があると思いますか?
「そうですね。当時は賞を目指して、英語劇の大会に向けての練習だったんです。なので、“作品のことを考える”っていうのもそうだったんですけど、それよりも“どうやったら賞をとれるか”っていうことを考えながらお芝居していたので、当時は表面的だったことを今のほうがもっと深められるんじゃないかなと思います」
変幻自在な演技で様々な作品で活躍する古川さんはまだ26歳。今後、いったいどこまで俳優としての高みへ到達するのだろうか。
■古川琴音(ふるかわ・ことね)
1996年11月生。神奈川県出身。20年の連続テレビ小説『エール』で窪田正孝演じる主人公夫妻の娘役での確かな存在感で注目を集める。22年にはNHKドラマ『アイドル』で特技のダンスを存分に活かして主演。主な出演作に、23年のNHK『犬神家の一族』野々宮珠代役、大河ドラマ『どうする家康』の千代役など。最新の出演作は、23年8月11日公開の綾瀬はるか主演の映画『リボルバー・リリー』。
■映画『リボルバー・リリー』
綾瀬はるか 長谷川博己
羽村仁成(Go!Go!kids/ジャニーズJr.)/シシド・カフカ 古川琴音 清水尋也/ジェシー(SixTONES)ほか
8月11日より全国公開
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