書くことで自分の心の動きを伝えたいという思い
「好き…というか、読書感想文が得意だったんです(笑)」
子供の頃に書いた『トットちゃんとトットちゃんたち』の感想文は特に思い出深いという。大ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』の著者・黒柳徹子さんがユニセフの親善大使に選ばれてアフリカやアジアの諸国に赴き、戦争で飢えや貧困に苦しむ子供たち(スワヒリ語で「子供」のことを「トット」という)の実情を綴った作品だ。
「そもそも物心ついたころから本が好きでした。両親も本好きでしたので、読んだ本についての感想を話し合ったりもしていました。そして、この『トットちゃんとトットちゃんたち』の読書感想文を書いた時、文章を書く仕事をしていた母が“この書き出しは思いつかなかった。すごく上手だね”と言ってくれたんです。“お母さんに褒められた!”と、すごく嬉しかったのを覚えています。私も書くことが“得意”なんだと思い込めた、という意味では私の原点になっているとも思います」

書くことが得意となるきっかけは何かあったのだろうか。
「本をたくさん読んで様々な文章を摂取したことで、構成力や語彙力も自然と身についていったんだと思います。自分の中にも文章のパターンがストックされ、溜まっていると言いますか。何かを書く時に、その構成とか語彙といった部分で躓く方もいらっしゃると思うのですが、私はそういうことで悩むことが人よりは少なかったかもしれません。何かについて文章をしたためるってこと自体がずっと好きでしたし、書くことで自分の心の動きを伝えたいという思いはずっとありました」
それは活字の世界だけでなく、アニメや漫画といったエンタメカルチャー全般にも広く精通している。中でも『美少女戦士セーラームーン』には強い思い入れがあるそうだ。