いまの自分の精神性を育んだセーラー戦士たち
「最初に観たのは幼稚園に通っていた頃で、アニメでした。セーラームーンごっこが流行っていましたね。その頃、近所に住んでいたお姉さんから“アニメが好きだったらマンガも絶対好きだよ”と言われて漫画をかしてもらったんです。そしたら武内直子先生が描かれる美麗な画にはアニメとはまた違う魅力があって、惹かれてしまいました。可愛さだけでなく、セーラー戦士たちの強いところも大好きでした。王子様が助けに来てくれるのではなく、自分たちで傷だらけになって闘って、好きな人や自分の居場所を守る……いまの自分の精神性は彼女たちを見て育まれたものなのかなって思いますね」
小学生になると「クロウカードから出てくる精霊たちの可愛さや綺麗さに夢中になりました」と、NHKで放送されていたアニメ『カードキャプターさくら』にもハマったと笑顔で語ってくれた。
その後、地元の神戸で中高生時代を過ごし、京都にある同志社大学政策学部に進学。大学卒業後はTBSテレビに就職し、局のアナウンサーとして忙しい日々を過ごす。
「関西出身なので、入社した当初は標準語もまだ上手に喋れないし、出来ないことだらけでした。入社前にアナウンスの勉強をしていた訳ではなかったので、数字のアクセントの違いで躓いたり、結果的に何を喋るのにも気構えてしまったり……喋るのが苦手になってしまいそうな時期がありました。喋り方もそうなんですが、もともと世間一般的にイメージされているアナウンサー像と自分はあまりにも違うんじゃないかと勝手に思ってしまったところもあって、もっと頑張らなきゃと悩んだり。せめて服装だけでもと無理して自分らしくない格好をしたりもしていました」
──その悩みからいかにして抜け出せたんですか。
「単純に訓練してアクセントを習得していったというのもありますし、アナウンス部の先輩から教えてもらったというのが大きかったですね。上手くいかなくて、この世の終わりみたいな顔をしていたら、軽く“飲みに行こうか?”と誘ってくださったりとか。服装に関しても、ジャージで来る人もいれば、すごくおしゃれなモード系の私服で出社する人もいて、何でも良いんだと思えたんです。そういった意味では本当に温かく自由な職場だったなって思います」
(つづく)
宇垣美里(うがき・みさと)
1991年4月16日生まれ、兵庫県出身。2014年4月にTBSに入社。アナウンサーとして数々の番組に出演し、2019年3月に同社を退社。現在はフリーアナウンサー、俳優としてドラマやラジオ、雑誌出演のほか「宇垣美里の人生はロックだ‼」(週刊プレイボーイ)、「宇垣総裁のマンガ党宣言!」(週刊文春)などの連載コラムで執筆業など幅広く活躍している。ドラマ出演作に『明日、私は誰かのカノジョ』、『シンデレラ・コンプレックス』、『1122 いいふうふ』、『財閥復讐~兄嫁になった元嫁へ~』など。YouTubeチャンネル「宇垣美里 妖怪 全てエッセイに描いてやるからな女」を開局。ニッポン放送Podcast番組「宇垣美里のスタートアップニッポン powered by オールナイトニッポン」パーソナリティ、TBSラジオ「アフター6ジャンクション2」水曜パートナーを担当中。2026年放送&発売予定のイザナギゲームズ×日テレ×AX-ONによるオリジナルゲーム&TVドラマ『AKIBA LOST』にも出演。
【作品情報】
木ドラ24『できても、できなくても』
テレ東ほかにて 毎週木曜深夜24時30分~25時 放送中
原作:朝日奈ミカ(シーモアコミックス)
出演:宇垣美里 山中柔太朗 樋口日奈 /古屋呂敏 水崎綾女 ほか
脚本:加藤綾子 松下沙彩 中西秋
監督:高橋名月 富田未来
(c)「できても、できなくても」製作委員会
公式サイト: https://www.tv-tokyo.co.jp/dekideki/