昨年も最新映画が公開された、1986年スタートの人気シリーズ『あぶない刑事』(日本テレビ系)でのタカのイメージよろしく、現在70代半ばにしてハーレーの似合う男、舘ひろし。ダンディズムの権化のような舘さんだが、ドラマ『パパとムスメの7日間』(TBS系)や高い評価を受けた映画『終わった人』など、幅の広い演技でも知られている。また近年は石原プロの精神を引き継ぐ舘プロを設立。そんな舘さんのTHE  CHANGEに迫る。【第1回/全3回】

舘ひろし 撮影/富田望

 これぞスターといったゆったりとした空気をまといながら、舘さんがスタジオに入ってきた。しかも、その大きな空気は、相手を委縮させず柔らかい。つい「以前にも取材させていただいているのですが、ずっとかっこいいですね」と言葉が出てしまった。

「オレ、75歳だぞ、そんなことある?」と照れ笑いする舘さん。やはりかっこいい。

――舘さんが、ジャケットを脱ぐように“舘ひろし”からスイッチオフする瞬間は、あるのでしょうか。

「当然、ありますよ。家に帰ったらひどいですよ。髪の毛はグチャグチャだし、パジャマはずっと着ているし。亡くなられた石原プロの小林専務にも、“俳優は家にいるときはくしゃくしゃでいい。ただ一歩外に出たら恥ずかしくないように。きちっとしろ”と言われていました」