高い再現度は原作者のお墨付き「似ているとかって僕は思わなかったんですよ」

 架空の島国・マリネラ王国を舞台に、その国王パタリロが巻き起こす大騒動を描くギャグマンガ。1978年から少女マンガ雑誌『花とゆめ』(白泉社)で連載が始まり、現在までコックスで104巻まで刊行。1982年にテレビアニメ化され、舞台化もされて、2016年を皮切りに4回上演、2019年には実写映画版も公開されている。その実写版で加藤さんは主人公・パタリロを演じ、その高い再現度は、ファンはもちろん、魔夜氏のお墨付きでもある。

「似ているとかって僕は思わなかったんですよ。目だってコミックだと猫目みたいな線だったりで、僕は世間的には顔は濃いほうなんだけどな~って思っていたので、大丈夫かなって不安はありました。でも、コミックの第1巻目のカバー画はちょっと宝塚メイク的なビジュアルだったので、これならいけるかなって思ったんです」

 実際に演じて(出演して)、以降の芝居に対する考え方や向き合い方の部分での変化はあったのだろうか?

「パタリロを演じるにあたっては、どう演じたら良いのかわからずで、目の前が真っ暗な状況で探り探りって感じでした。そうしたら演出家の小林顕作さんに“諒君って腹黒いところがあるでしょ。パタリロにもそんなところがあるから、その腹黒い部分を出してやればいいじゃん”みたいなことを言われたんです。
 魔夜先生からは“パタリロに寄せていくんじゃなくて、パタリロを寄せるふうにして行けばいいんじゃない?”と、アドバイスをいただいたんです。だから、いったん原作を忘れて演じさせてもらいました」