コメディからシリアスなものまで幅広い役柄で見る者を魅了し、ドラマ、映画、舞台にCMと、いまや国民的俳優の一人ともいえる多部未華子さん。プライベートでは妻であり母としても日々多忙な生活を送っている多部さんの“CHANGE”を聞いてみた。【第1回/全3回】

多部未華子 撮影/有坂政晴 ヘアメイク/中西樹里 スタイリスト/岡村春輝(FJYM inc.)

 等身大、親近感、飾らない自然体──俳優・多部未華子さんを言い表すとしたらそんな言葉がしっくりくる。

 そんな多部さんの最新主演作が『連続ドラマW シャドウワーク』だ。その出演理由の一つとして次のように話してくれた。

「実は私、悲しい境遇の役というのは、あまり演じることがなかったんです。これまでにないタイプの役柄というのも新鮮でしたし、キャストのほとんどが女性で、私より年齢が上の方もいれば下の方もいて、そんな中でお芝居をするってどういう感じなんだろう……という興味もあって出演を決めました」

 2002年に俳優デビュー後、出演した映画『HINOKO』と『青空のゆくえ』(ともに2005年公開)で第48回ブルーリボン新人賞を受賞。2009年にはNHK連続テレビ小説『つばさ』のヒロインに抜擢され、その後も様々な作品で主演を果たしている。最近では育児と家事に奮闘する専業主婦を演じたドラマ『対岸の家事~これが私の、生きる道!~』(TBS系)が記憶に新しい。だが、振り返ると確かに悲惨な境遇の役というのはあまり記憶にない。