『ハムレット』におけるヴォルティマンド正直に言うと“小さい役かあ”と思ってしまったんです(笑)

 そんななかで吉田さんが演じるのは、スカーレットの父の処刑にも立ち会った、クローディアスの側近・ヴォルティマンドだ。大学時代からシェイクスピアの舞台に立ち、現在は「彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd」で芸術監督をつとめるなど、シェイクスピアへの造詣が深い吉田さん。『ハムレット』の登場人物でもあるヴォルティマンドについて、「『ハムレット』ではあまり目立たない役なんです」と、教えてくれた。

「だからマネージャーから『ヴォルティマンドになりました』と言われたとき、正直に言うと“小さい役かあ”と思ってしまったんです(笑)。そうしたら、今回の作品では全然、そんなことはなく、ありがたいなと思いましたね」

 登場人物のほとんどがスカーレットの命を狙い、ヴォルティマンドもそんな1人ではあるものの、物語の鍵を握る重要な役どころを担っている。

「『ハムレット』におけるヴォルティマンドは、いい人でも悪い人でもないんですが、本作での彼を見て、この役にこんなアダプテーション(作品にあわせて、新たな解釈や演出を加えて脚色すること)できる魅力があるなんて、とビックリしました」

――細田監督の役の広げ方に驚かれたんですね。
「まさにそうです。シンプルだけど骨太な役の広げ方だなと思いましたね」