シェイクスピア戯曲から部下の男性に恋するイケオジまで――ありとあらゆる役柄、そのすべてにおいて説得力のある演技で観る者を魅了し続ける俳優・吉田鋼太郎さん。11月21日より公開中の細田守監督作『果てしなきスカーレット』では声優をつとめ、さらに活躍の場を広げている。そんな吉田さんのTHE CHANGEとは――。【第3回/全5回】

吉田鋼太郎 撮影/有坂政晴

吉田鋼太郎さんは2016年に蜷川幸雄さんの意思を継ぎ、『彩の国シェイクスピア・シリーズ』の2代目芸術監督に就任。昨年には新たに『彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd』を立ち上げ、2025年5月には藤原竜也さん主演の最新作『マクベス』が上演されたばかり。シェイクスピアにかかわるたびに、心血を注ぎ、演じるときも演出するときも、「パワーとエネルギー、それから解釈する力をフル回転させている」と力強く語る。

「昔、ハムレットを演じた時にはものが食べられなくなって、栄養失調になったこともありました。疲労困憊で、固形物が入っていかないんです。最高血圧が80以下まで下がって、点滴で生きながらえたこともあったくらい」

 そんな吉田さんが、11月21日から公開中の細田守監督作『果てしなきスカーレット』に声優として出演することになったのは、必然だったといえるのではないか。本作は、シェクスピアの傑作戯曲『ハムレット』をモチーフにしているのだから。