ローゼンクランツ役と一緒に収録「青木さんのお芝居に引っ張ってもらいました」
これまで、『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)、『バケモノの子』(2015年)、『竜とそばかすの姫』(2021年)と、今作と合わせて細田監督作品4作で声優を務めてきた染谷さんは「作品ごとにまったく違う役柄をいただいているのですが、それが難しくもあり、とても楽しくもあります」と話し、吉田さんが「(染谷さんが声優を)やっていないんじゃないか」と思ってしまうくらい驚いた、と話していた今作でのお芝居について、こう話す。
「今までは、ふだん話しているような日常の延長線上の表現をすることが多かったのですが、今回はキャラクターとしてしっかり作り込んだといいますか、誇張しました。“声を変えてやってほしい”という、細田監督の演出だったんです」
――映画を観ても、事前に渋谷さんのキャストを把握していなければ絶対にわかりませんでした。
「チェックしていてもわからないと思います(笑)」
染谷さんが演じるのは、芦田愛菜さんが声優を務める主人公・スカーレットの命を狙うギルデンスターン。役所広司さん演じる、スカーレットの叔父である冷酷非道な国王・クローディアスの家来という役どころだ。
ギルデンスターンとともにスカーレットの命を狙う、ローゼンクランツ役の青木崇高さんも、染谷さんと同様、ご本人のふだんの話し声とはかけ離れた声で演じている。その部分においては、ふたりとも、物語の主軸となる芦田愛菜さんや役所広司さんと同じくらいのインパクトを放っていた。
「青木さんと一緒に録らせていただいて、青木さんのお芝居に引っ張ってもらいました。ギルデンスターンは顔つきも言動も攻撃的だったので、悪役としての性格みたいなものを声で表現するように心がけましたね」