涙をポロポロ流している人も「“高橋優からしか得られない何かは、たぶんあるんだろうな”って」
そして、同年7月、『素晴らしき日常』でメジャーデビューを果たして以来、世代を超えて多くの人々の魂を揺さぶり続けている。
「15年たってもやっぱり、自分は歌わなきゃしょうがないみたいなところはあります。自然現象みたいなもので、風が吹くのと同じように、僕は歌うという感じです。
いろんな場所で歌わせていただくと、お客さんの表情が本当によく見えるんですが、涙をポロポロ流している人もけっこういらっしゃるんです。そうしたなかには、僕が上司と呼ぶような年代の男性もいて、『HIGH FIVE』とか『リーマンズロック』とかを聞きながら泣いてるんですよね。
そうした姿を目の当たりにすると、ギターを弾きながら歌う男性アーティストはいっぱいいるかもしれないけど、“高橋優からしか得られない何かは、たぶんあるんだろうな”って思わせてもらえるんです。
だって、日常で大のオトナが泣き出したら“ただ事じゃない!”となる。感情を吐き出す場所として、高橋優のライブを選んでもらえるってすごく光栄なことだし、責任も感じます。だから、これからもずっとそういう人たちに出会って、届けていかなきゃいけないなと改めて強く思いますね」
社会の片隅のどこかに必ず、高橋優の歌を待っている人がいる。それを裏切ることなく届け続けることがアーティストとしての使命だと、彼はちゃんと知っているのだ。
その責任を果たし続けるため、高橋さんは近年、生活をガラリと変えたという。次回は、2時間半のライブをパワフルにこなすために実践しているセルフメンテナンスについて、たっぷりと語っていただくつもりだ。
つづく
スタイリスト:上井大輔(demdem inc.)
ヘアメイク:亀田雅
[衣装クレジット]
カーディガン¥82,500/©SAINT Mxxxxxx(Entracte/03ー5843ー0384)
その他スタイリスト私物
たかはし・ゆう
1983年12月26日生まれ、秋田県横手市出身。北海道・札幌の大学進学と同時に路上で弾き語りを始める。2010年、シングル『素晴らしき日常』でメジャーデビュー。2017年に開催した全国ツアー『LIVE TOUR 2017-2018「ROAD MOVIE」』で8万人を動員した。自身の誕生日である2025年12月26日には、地元・秋田から全国ツアー『高橋優 15th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE TOUR 2025-2026「自由たる覚悟、然として奏ず」』がスタートする。2016年、地元秋田の市を巡回する野外音楽フェスティバル『秋田CARAVAN MUSIC FES 2016』を主宰し、以降、毎年9月に定期開催。2026年は、9月26~27日に、にかほ市で開催が予定されている。