現在、全国公開中のドキュメンタリー映画『みらいのうた』は、2022年春から3年以上にわたり、THE YELLOW MONKEYのボーカルでありソロミュージシャンとしても活躍中の吉井和哉さんを密着した作品だ。当初はこうした作品になる予定もなければ、もちろん劇的な出来事が起こるなどとはかかわった全員も吉井さん本人ですらも、わかるはずもなかった。撮影中にがんをわずらい、それでも東京ドームでのTHE YELLOW MONKEYのライブを成功に導いた吉井和哉さんの、THE CHANGEとは。【第2回/全5回】

吉井和哉 撮影/横山マサト ヘアメイク/Cana Imai スタイリスト/Shohei Kashima(W)

 2022年春に監督のエリザベス宮地さんがカメラを回し始めた、THE YELLOW MONKEYのボーカルでありソロミュージシャンとしても活躍中の吉井和哉さんのドキュメンタリー映画『みらいのうた』。当初は「映画にするなんてまったく思っていなかった」という。

ーーずっと密着されていたなかで、映画を意識したタイミングはいつごろ訪れましたか?

「2024年4月27日の東京ドームがなんとか成功したあたりくらいから。いやでも、最後まで映画になるとは思っていませんでした。“配信とかはされるかな?”くらいの感じです」

ーーただただ撮られ続けるなかで、率直に自分の気持ちを話されていたんですね。

「そうですね」

 当初、喉のポリープの手術によりソロライブツアーが中止となったタイミングで、「事務所のボスから“ドキュメンタリーを回しませんか”という提案があった」といい、それは着地点を決めていなかった。静岡の実家に帰省し、地元で吉井さんの原点ともいえるURGH POLICEのEROさんと宮地さんを引き合わせ、脳梗塞を患ったEROさんと彼の部屋で語り合う様子が映された。