自身が喉頭がんであることを壁越しで知った
そして2022年秋から、ソロアルバムの作業をストップしてポリープの再手術を複数回行った。その後、早期のがんであることが吉井さんから宮地さんへ伝えられるのだった。シリアスな雰囲気は、まったくなかった。
ーーカメラの前では、深刻さを見せずにいらっしゃったと思います。実際にはいかがでしたか?
「“フェードイン”だったんですよ」
©「みらいのうた」製作委員会壁越しで自身が喉頭がんであることを知った。
「先生から告知される前に、看護師さんが僕がいる隣の病室で、"あの喉頭がんの患者さんって~~”と話しているのが漏れてきて、え! いまなんて言った!? みたいな、それがちょっとおもしろかったんですよね」
担当医の「あなたは医療のレールに乗っているので安心してください」という言葉に頼もしさを感じた。
「とはいえ、声は100%戻らないよねと思っていたので、じゃあ90%は戻してやろうかな、という期待を胸に監督にLINEしました。“喉頭がんです(笑)。でも、このまま回し続けてください”と。お願いしました。しばらく既読無視されましたけどね(笑)」
思いもよらない展開に、吉井さんは静かな覚悟を決めた。と同時に「ちょっと美味しいなって思っちゃった」と前向きにとらえたのだ。