今回登場するのは、映画『セフレの品格』シリーズで主演を務める行平あい佳さん。複雑な感情のもつれと性への欲求が赤裸々に描かれた本作も、いよいよ終幕。体当たり演技への向き合い方や、助監督からスタートした異色のキャリアについて、たっぷり伺います。【第2回/全2回】

行平あい佳 撮影/河村正和

――行平さんといえば、映画初主演作『私の奴隷になりなさい 第2章 ご主人様と呼ばせてください』(18年)でヌード濡れ場に挑み、話題となりました。当時、どのような心境で挑みましたか?

「すごくつまらない答えかもしれませんが、壇蜜さん主演の前作『私の奴隷になりなさい』も拝見し、脚本を読んだうえでオーディションに向かったので、その時点で受け入れていたんです。それに、大学生になった頃から母の作品を、ちゃんと観ていましたしね」

――お母さまの寺島まゆみさんは、80年代、にっかつロマンポルノで人気を誇った女優さんですよね。今作の『セフレの品格』では共演しています。

「そうですね。ロマンポルノをはじめ、さまざまな映像作品を観ていると、“真摯に映画作品を作ろうとすると、その場面は必要になる”と感じました。撮影日は当然緊張はしましたが、なんていうか……“私にはもう、捨てるものはない!”みたいな挑み方はしていませんね」

――監督は今作と同じく城定監督でした。

「そうなんです! 主演デビュー作が城定監督作で、今もご一緒させていただけることに、とても感謝しています」