プロ1年目にさかのぼる山本由伸投手との因縁?「そろそろ…」
──山本投手が中畑さんにおごるんですか?
「俺はあいつを1年目から見出していたから! 春季キャンプの紅白戦を見て、まだ18歳だけど絶対に出てくるって、『スポーツニッポン』で紙面の半分を使って特集を組んだんだよ。あいつもそれを見ていてくれて。
それなのに、俺のほうが銀座でおごってやったんだ(笑)。そろそろおごってもらわないと」
──山本投手は大型契約ですし、それはぜひお返ししてもらいましょう(笑)。同じドジャースの佐々木朗希投手はどうでしょうか?
「由伸がワールドシリーズで見せた、勝つためにはどのタイミングでも投げるという、あの姿から学んでくれていたらいいなと思う。これまで大事に育てられてきたんだろうけれど、それを当たり前と思ってほしくないんだよね。いざというときには、チームのために連投もするっていう、フォア・ザ・チームの姿勢を見せてほしい」
──その点はMLBに行って学んだことも多いのでしょうか。
「だいぶ変わってきていると思うよ。ただ、まだこれから。もともと力は十分にあるんだから、これからどんどん変わっていくだろうし、それが楽しみだね」
WBC、大谷選手について、実に楽しそうに話してくれた中畑さん。その熱を帯びた口調は、聞きながら、こちらもグイグイと引き込まれてしまう。その意味では中畑さんもまた、長嶋さんが言った“野球の伝道師”なのである。
つづく
なかはた・きよし
1954年1月6日、福島県生まれ。駒澤大学を経て、75年に読売ジャイアンツに入団。79年に一軍に定着し、「絶好調男」としてファンから人気を博す。84年のオールスターゲームでは二打席連続のホームランを打ち、一塁手として7年連続のゴールデングラブ賞に輝くなど、中心選手として活躍する。89年に現役を引退。野球解説者として、歯に衣着せぬ語り口で人気となる一方、読売ジャイアンツのコーチ、横浜DeNAベイスターズの初代監督など、指導者としても日本球界に貢献してきた。