宮本亞門から“成宮くんと心中する”「この作品に全身全霊で挑みたいと思っています」
──確かに『サド侯爵夫人』も、成宮さんと宮本さんの会話から、成宮さんの主演につながっていきました。
「固まっていなくてもいいから、自分がいま何を考えていて、何をやりたいのかを人に話すと、人づてに“成宮くん、あれやりたいって言ってたよね”と、それが作品への出演につながっていくこともありましたから。言葉にしないと、周りも助けようにも助けられないですよね。今回も、亞門さんとはお互い完全プライベートの再会だったのに、その後食事に行って本音を話せたから、いまがあります」
──出会いが作品につながった、というのも大きいですが、成宮さんの初めての舞台を手がけた宮本さん、というのがより運命的ですね。
「なぜか、会いたいなと思う人に会いたいタイミングで会えるんです(笑)。先日も、映画監督の三池崇史さんに偶然遭遇しました」
──なんと! LUUPで走っている時間に滑舌(かつぜつ)を鍛えたり、都内を歩いたり、意外なところで成宮さんに会えそうですね。
「そうなんです(笑)。僕はこんな風に、普通に街中にいるので、いつでも僕と一緒に作品を作りたい人との出会いを待っています」
17歳で応募した初めてのオーディション、自分の感性を見つめ直した海外生活、俳優復帰と主演作品をくれた出会い。時には運命に身を任せ、「挑戦してみよう」と気軽に決断してみるのが成宮の生き方だ。その軽やかさは、今度の舞台の楽しさを自由に語る無邪気さにも現れていた。
「運命のように、見えないものに導かれているような感覚があります。亞門さんからは“文字通り成宮くんと心中する”と言われたほどです。本当に身投げするような気持ちで、この作品に全身全霊で挑みたいと思っています」
■成宮寛貴(なりみや・ひろき)
1982年9月14日生まれ、東京都出身。2000年、宮本亞門演出の舞台『滅びかけた人類、その愛の本質とは…』で俳優デビュー。以降、2002年にドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)の野田猛役として話題になり、2004年『下弦の月 ラスト・クォーター』で映画初主演を務めた。テレビ朝日系『相棒』シリーズでは3代目相棒・甲斐亨として2012年のシーズン11からシーズン13まで出演。2025年にABEMAドラマ『死ぬほど愛して』主演・神城真人役で8年ぶりに俳優活動を再開した。
ヘアメイク:INOMATA(&’s management)
スタイリスト:杉長知美
衣装クレジット:ジャケット¥62,700、シャツ¥25,300、パンツ¥30,800、ブーツ¥63,800/LAD MUSICIAN(LAD MUSICIAN HARAJUKU 03-3470-6760)
リング¥83,600〜/MARIHA(MARIHA 03-6459-2572)
※税込価格です
■作品情報
【公演名】『サド侯爵夫人』
【作】三島由紀夫
【演出】宮本亞門
【出演】成宮寛貴 東出昌大 三浦涼介 大鶴佐助 首藤康之 加藤雅也
【東京公演】 2026年1月8日(木)~2月1日(日) 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
【大阪公演】2026年2月5日(木)~8日(日) 森ノ宮ピロティホール
【愛知公演】2026年2月13日(金)・14日(土) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
【福岡公演】2026年2月17日(火)・18日(水) 福岡市民ホール 中ホール
【公式サイト】https://tspnet.co.jp/sade/