27年にわたって愛され続けるスピッツの名曲「楓」を原案に、行定勲監督が珠玉のラブストーリー映画『楓』を完成させた。その映画で、大切な人を失う運命と向き合う主人公を演じた福士蒼汰さんに、双葉社 THE CHANGEではインタビューを敢行。本作の撮影や作品への思い、さらには、俳優デビュー以来、歩んできた道のり、そして、その道中で生まれた「CHANGE」の瞬間について、話を聞いた。【第1回/全5回】

福士蒼汰 撮影/冨田望 ヘアメイク/永野あゆみ スタイリスト/菊池陽之介

 事故に遭い、この世を去ることになってしまう弟・須永恵。そして、“弟として生きる”ことを選んだ兄・須永涼、その二役に挑んだ福士蒼汰さん。二人の繊細な感情を表現するうえで大事にしたことはなんですか? と聞くと「意識しないことを意識しました」とほほ笑みながら、丁寧に答えてくれた。

「二役ではありますけど、涼と恵は全然、違う人間なので、演じ分けるというよりも、二つの役をしっかり表現していこう、というシンプルな思いで現場に入りました。監督からも“演じ分けはしなくていい”という言葉をいただいたので、そこはあまり難しく捉えないで演じました」