服部先生の著書『ぼくの音楽人生』をいつも持ち歩いています
――松村さんご自身は歌も歌われますが、今回の舞台にそういったシーンはあるのでしょうか。
「今回僕は、あくまで作曲する側なのでそういったシーンはないのですが、ただ『東京ブギウギ』が思い浮かぶシーンは、音楽的になる予定です。服部先生の著書『ぼくの音楽人生』を読ませていただいて、いつも持ち歩いています。そこにその時のことも書いてあって、実際には電車の中のガタンゴトンという音が、ブギウギのリズムに聞こえてきて、降りてすぐ喫茶店に入ってお書きになったそうなんです。今回は舞台らしく、電車の中で思わずバッグから手帳を取り出して、揺れるなかで、書くというシーンになりそうです」
――おもしろそうです。
「とても印象的なシーンになりそうですよ。楽しみにしてください」
俳優としての始まりが、中学のときの新劇だったと話してくれた松村さん。松村さんをスカウトし、劇団へと「勉強してこい」と2年間預け、見守り続けた恩師である前社長も(現在は遺志を継いで松村さんが社長として事務所を運営している)、松村さんの舞台での活躍を喜んでいるに違いない。
俳優としてのスタートは舞台だった松村さんだが、その後、『スクール☆ウォーズ』などの大映ドラマシリーズでブレイクを果たす。だが、大映ドラマデビューは有名な『不良少女とよばれて』ではなく、その前に伊藤かずえさんの恋人役で出演したある作品だった。
(つづく)
松村雄基(まつむら・ゆうき)
1963年11月7日生まれ、東京都出身。1980年、高校在学中にテレビドラマ『生徒諸君』でデビューを果たす。その後、『不良少女とよばれて』『スクール☆ウォーズ』『乳姉妹』『ポニーテールはふり向かない』『花嫁衣裳は誰が着る』と、1980年代の大映ドラマに数々出演。大映ドラマブームの立役者として人気を博す。30歳を機に舞台に進出し、映像、舞台の両面で活躍中。2026年のスタートは実在の作曲家・服部良一を演じる舞台『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』。
●作品情報
『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』
作:小野田勇
補綴・演出:齋藤雅文
音楽:服部隆之
協力:亀井ヱイ子
出演:出演:キムラ緑子、松村雄基、林翔太、桜花昇ぼる、曽我廼家寛太郎、一色采子、惣田紗莉渚、賀集利樹
2026年1月2日(金)~20日(火)
会場: 三越劇場
公式サイト: https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/mitsukoshi_2601/
2026年1月24日(土)~2月1日(日)
会場:南座
公式サイト: https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/20260124minamiza/