「うまくいかないことがあった後」の姿はどうなるか
すでに熟達しているという大谷選手。さらに伸びることはあるのだろうか。
為末「今後、大谷選手がうまくいかなくなったときがあったとして、それを元に戻していくプロセスで、今までと違うものが見えてくるということはあるかもしれません。
たとえば怪我をして、今までどおりのプレーができなくなる。リハビリを経て、パフォーマンスは前より落ちるかもしれませんが、そこで別のものが見える、ということはスポーツでは、よくあります」
変化せざるをえない状況で、成長を果たすということだ。
為末「そういう状態は、うろたえる自分が観察できるチャンスなんです。そういう状況にならないと、なかなか自分のことは見えないものです。大谷選手が完璧だから言える前提ですけど、うまくいかないことがあった後の、大谷選手の状況を確認したいという気持ちはありますね」