女優・尾野真千子は、河瀬直美監督に見出され、14歳で映画『萌の朱雀』主演を務めた。その後06年のNHK連続テレビ小説『芋たこなんきん』、08年の映画『クライマーズ・ハイ』、09年のドラマ『火の魚』を経て11年に朝ドラ『カーネーション』でヒロインの座を射止めた。その天衣無縫な姿で数多くのドラマファンから支持を得ている尾野さんにとって重要な変化、「THE CHANGE」は何だったのだろうか?
【第1回/全4回】

尾野真千子 撮影/三浦龍司

「よろしくお願いします」

 黒地に青い幾何学模様が描かれたタイトなワンピースで登場した尾野真千子さんは、取材陣にも気さくに微笑みかけ、インタビュー中も終始にこにこと質問に答えてくれた。まず、「お仕事を始めたころと、現在で変わったこと」についてたずねると「いちばんは、人に慣れたっていうことじゃないかな」と話してくれた。

「人見知りが多分薄れた。私、すっごい人見知りだったと思うんです。身内以外と口をきくのは本当に苦手だったんですけど、今は人と喋ることの方が楽しい。それはすごい変わったことだと思います」

 尾野さんは97年、河瀨直美監督に見出され映画『萌の朱雀』で女優デビューを果たした。その後も07年『殯の森』、09年『クライマーズ・ハイ』などキャリアを重ね、女優業26年目の今も引っ張りだこ。6月2日には、出演映画『渇水』の公開を控えている。

「女優・尾野真千子」として地位を確立している尾野さんだが、人見知りから「人と喋ることのほうが楽しい」と変化した「THE CHANGE」――転機となったのはいったい何だったのだろうか?

「やっぱり人と会うことが多いので。朝ドラも関係してきているんだと思うんですけど、毎週ゲストが変わっていたりとかして、毎週違う人と会話をしなきゃいけなかったから、それでけっこう慣れたというか、人に慣れ始めたんだと思います」