「どの選択に正解も、いいも悪いもないと思う」

――まずはささいなことでも、身近に感じるものの中から「夢」や「目標」になるものを見つけていけばいいと。

「そしていつか夢を掲げて、その夢が叶ったらそこで立ち止まって辞めたっていいんです。

 もしくは、高い山だと思って一生懸命登ってみたら、周りにもっと高い山があったことに気づいて『バガボンド』的な状況になった時に、それでもまだその山を登りたいと思うのであれば登ればいいし、そこで下山してもいい。どの選択に正解も、いいも悪いもないと思うので、そういうのもひっくるめて、全部自分のやりたいように生きればいいんじゃない?って思います」

中村倫也 撮影/有坂政晴

――身にしみる、ありがたい講話をいただきました。では最後に、『THE CHANGE』ならではの質問になりますが、ご自身にとって “CHANGE”(変化・転機)となった出来事や「この人のこの言葉で変わったな」というエピソードを教えてください。

「いくつかある中で言うと、24歳くらいの時、演出家の河原雅彦さんに“売れて”って言われたことかな」

――河原さんとは、2009年の舞台『真心一座 身も心も 流れ姉妹~獣たちの夜~』をはじめ、これまで何度もタッグを組まれていますが、その言葉を受けてどんな変化があったのでしょう?

「河原さんから“企画会議で倫也の名前を出しても通らないんだよ。一緒にやりたいから、早く売れて”って言われて“そうか。売れないと一緒に仕事できないんだ”って思って、売れようと頑張りだしました。

 もちろん、そうじゃないパターンもあるかもしれないけど、その時の言葉は自分にとって大きな“CHANGE”のひとつでしたね」

――そこからご自身の中でどんな変化があって、具体的にどんな行動をされたのでしょうか。

「その話、長くなるよ(ニヤリ)」

――お聞きしたいのは山々ですが、残念ながらお時間が限られているので、なんとかギュッと凝縮してお話しいただけますと!

「媚を売る。そのために“嫌われない方が得じゃない?”ということを知りました。それまでは、誰にいくらでも嫌われていいと思っていたけど“敵を作るより、みんな味方の方がいいよね”と思い改めたんです。

 あとは“お前が勝手に相手を敵にしているんじゃない?”って自分に言い聞かせたりして。そういうのをギュッとまとめると“媚を売る”ことにつながるんです」