人それぞれに違う世界観や考え方、価値観がある「知るだけで許容できる範囲は広がっていくし、少し優しくなれる」

「ASDやADHDの主人公が映画やドラマの作品になることが近年は増えてきましたけど、そういった特性を持ったキャラクターは、過去の作品にもいたと思うんです。僕がこれまでに演じた中にも、そういった役柄があったと思いますし、そんな中で、今回このオファーをいただいて、安堂と自分は、どう違っていて、どこが似ているのかみたいなものにすごく興味がありました」

 そして、安堂という人物を掘り下げていくなかで、役柄の枠を超えて、自分自身にも重なる問いが浮かび上がってきたという。

「特性と個性の線引きはどこにあるのだろう、そもそも“普通”とは何なのか、というテーマがこの作品にはあるんじゃないかなと思います。人それぞれに“普通”があって、普遍的な普通というものは、実は存在しないんじゃないかと思うんです。

 自分の“普通”とは違うからといって、相手を相容れない存在だと感じてしまうことは誰にでもある。でも、人それぞれに違う世界観や考え方、価値観があるということを知るだけで、許容できる範囲は広がっていくし、知ることで人は少し優しくなれるとも思っています。この作品は、他者とどう向き合い、どうコミュニケーションを取っていくべきなのかを考えさせてくれる。そのテーマに、いま自分自身も向き合う必要があると感じています」