芸人・板倉俊之の独特な世界観は多くの人から支持されている。お笑いコンビ・インパルスで極上のコントを生み出してきた才能は小説家としても花開き、小説デビュー作の『トリガー』は各方面から絶賛。6冊の作品を世に送り出した。開設した自身のYoutubeチャンネルも人気を博している板倉さんにとっての重要な変化「THE CHANGE」とはなんだったのだろうか?【第4回/全5回】

板倉俊之 撮影/片岡壮太

 ハイエースでの一人旅やサバイバルゲームなど多彩な趣味を持つ板倉さん。ガンダムへの愛ゆえ、ガンダムの小説『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』を上梓するなど「好きなものを掘り下げていく力」は常に注目を集めている。

 芸人の仕事と並行して続けるのは並大抵のことではないはずだが、情熱や持続する力はどこから来ているのか聞いた。

「興味を持ったことしかできない、っていうのはあるんですよね。お笑いも自分でやろうと思ったからやれてますけど、人にやれって言われても、興味ないことだったらやっぱりできない。だから、料理なんかも全然できなくて、コロナ禍になって初めて“俺は本当に何も作れないんだな”っていうのが分かりました。

 “これやっとかないと、後で大変なことになるぞ”って言われてもできないんですよ、人の意思だから。やっぱり喜びを自分で見出さないといけないんですよね。だから、“このゲーム面白いからやったほうがいいよ”って言われても、できないんですよ」

 その徹底ぶりに驚いてしまうが、なるほどこの極端なまでのこだわりが板倉さんの魅力の源泉になっているのだろう。では、いざ興味が向くものが現れた時、どのようにのめりこんでいくのか。

「自分が興味を持ってやるってなったら、そこに対しての集中力が増して、それをやってないことが気持ち悪くなってしまうんですよ。完成してない、っていう状態がそわそわしちゃって。そこが自分は極端だなと思いますね。

 ドラクエとかもハマった時は、キャラクターを全員レベル99にして、冒険していてもまったく怖くない、っていう状態までやっちゃうんですよ。でも、その後に絶望が待ってるんですよね、“だからなんなんだよ”という絶望が。

 なので物事にハマらない人が羨ましいんですよ。ゲームをやっていて途中でやめて本を読む人もいる思うんですけど、僕はドラクエをやってる期間はもうそれしかやりたくないので」