「親代わりのことはしないと言いながら、本当は親以上のことをしてくれた」
後日、僕を竹中さんに会わせてくださった日に、大杉さんはお子さんを迎えに行かなくてはならなかったのに、「今、若い俳優の人生が変わるかどうかの瀬戸際で、自分が行かないとダメだから」と言って一緒に付いて来てくださったという話を大杉さんの奥様からお聞きしたんです。親代わりのことはしないと言いながら、本当は親以上のことをしてくれたんですよ。大杉さんって自分よりも他人を大事にされる方だったんです。
俳優というのは、みんな主役ばかりをやりたいとは思っていないと思うんです、本当のところは。やっぱり脇のほうが楽しいですよ。たくさん演じられるし、いろいろな現場を見られるし、さまざまな物語の中に入り込めるので。大杉さんも、すごく楽しそうに演じられていて、自分だけではなく、他の出演者にも楽しくなってもらいたいという感じでした。若い人をどんどん引き上げようとされていたんです。そんな大杉さんを見て、俳優としての在り方や人としての在り方を学べたことは僕の人生において、とても大きな出来事でしたね。
3月28日に公開された最新作『津田寛治に撮休はない』は、僕自身が主人公で現実と虚構が混ざったちょっと不思議な物語です。この企画を最初に聞かされたときはバラエティかと思いましたね(笑)。その後に送られてきた台本を読んでビックリ。僕自身、SNSとかあまりやっていないにもかかわらず、プライベートのことがすごくリアルに書かれていたんです。
萱野孝幸監督はタイトルに“津田寛治”とあるけど、劇中劇を演じているところは素の自分とは変えてほしいというリクエストがあったんですけど、僕は変えたくなかった。そこは相談しながら臨みました。