「出演の数をこなすことと映画に対する思いは比例しない。だけど、数をこなさないと生活できないという現実がある」
完成した本編は意外と客観的に観られましたね。僕はこの作品でリアルなバイプレーヤーの日常を体現してみたいって撮影中は思っていたんです。
僕自身はこれまでたくさんの映画やドラマに出させてもらってきましたが、それは勲章でも何でもない。ただ細かく、やってきただけの話で、出演の数をこなすことと映画に対する思いは絶対に比例しないと思っているので。だけど一方で、数をこなさないと生活できないという現実があるんです。そんなリアリティもこの映画を通して感じてもらえればうれしいとは思いますね。
本当の津田寛治には撮休はたくさんあります(笑)。でも、休みたいとは思いません。だって、その休んでいる時期にすごい役の話が来たら、どうしよう……って。そう考えたら、休むこと自体が“怖い”です。演じられないということ自体、耐えられないというのかな。先日も同じ俳優仲間の山田裕貴君とそんな話をしたんですが、やっぱり彼も「そうなんですよ!」って言っていましたよ。
撮休のときはだいたいカラオケボックスに行っています。歌わないプランで入って、8時間ぐらい、ず〜っとセリフを覚えているんです。ヘタしたら僕の職場の半分はカラオケボックスです。ただ、娘とは定期的によく映画を観に行きます。それが本当の意味で“撮休”なのかもしれませんね。
津田寛治(つだ・かんじ)
1965年8月27日、福井県生まれ。AB型。T174。1993年、『ソナチネ』(北野武監督)で映画デビュー。『模倣犯』(02)で第45回ブルーリボン賞助演男優賞、『トウキョウソナタ』(08)で第23回高崎映画祭最優秀助演男優賞、『山中静夫氏の尊厳死』(20)で第30回日本映画批評家大賞主演男優賞を受賞。長編アニメーション映画『無名の人生』(25)では声優として出演を果たした。公開待機作に、タリン・ブラックナイト映画祭で日本人俳優として初めて最優秀男優賞を受賞した主演映画『THE FROG AND400THE WATER』がある。
映画『津田寛治に撮休はない』
撮影、稽古、打ち合わせ、イベント……に日々追われる俳優・津田寛治。そんな津田の周りで、ある日を境に不思議な出来事が起こるようになる……。
3月28日(土)より新宿K’s cinemaほか
全国順次公開
©映画『津田寛治に撮休はない』製作委員会