自分の中で楽しみを持っておかないと、逃げ場がなくなってしまう

「ただ、勘違いしてほしくないのは、息子が生まれたからと言って、僕が人生のなにかを諦めたわけではないということ。

 自分がやりたいこととか、趣味までも投げ捨てて育児に集中しちゃう人がいますが、僕はそういうスタンスではないし、妻にもそれはやめたほうがいいと言っています。自分の人生は継続しつつ、育児もする。

 それに、自分が子どもの立場になって考えてみてください。自分が生まれたことで、親が夢を諦めたとか、親がなにか我慢しているとか、そんな風に感じてしまったら罪悪感を覚えるはずです。もちろん、育児が始まると、どうしても仕事に影響は出てしまうと思います。でも、自分の中で楽しみを持っておかないと、逃げ場がなくなってしまって、親のほうが先に追い詰められてしまうこともありますからね」

 そう語る幡野さんに、今の楽しみを聞くと“料理”という回答が返ってきた。 

「料理って、全員を幸せにできる趣味だなと思うんです。料理を作っている自分も楽しいし、作ってもらった人も嬉しいし。みなさんに薦めたいです」