水森亜土さんが返信をくれた
“可愛い絵、とってもうれしい”みたいな内容だったんですけど……。すごく嬉しくて、大切にしています。自分がファッションを好きになったきっかけでもあるし、可愛い女の子像みたいなのをそこで吸収したなって思うので、今も、水森さんと宇野さんの画集をすごく大切に保管しています」
水森亜土と宇野亜喜良はともに1960年代から活躍する日本を代表するイラストレーター。現在も多くの人から支持を集めている。2001年生まれの甲田さんは、いったい何歳のころ水森さんに手紙を書いたのか。
「それは4,5歳ですかね。正確には覚えてないんですけど、たぶんそのくらいの年で。
とにかく唯一無二で、“なんだ、これは!”って最初びっくりするようなものが好きだったので、すごく惹かれましたね。宇野さんは、絵のタッチが独特じゃないですか。毒っぽいというか」
水森亜土はかわいらしい2頭身の女の子や男の子のイラストも書いているが、アンニュイなまなざしのオシャレな少女の絵もたくさん描いている。宇野亜喜良は物憂げでどこか文学的な匂いがする女性のイラストなど、大人っぽい印象だ。わずか4,5歳で彼らの良さに気づくとは、甲田さんはただ者ではない。