1994年、映画『学校』『月はどっちに出ている』『教祖誕生』で日本アカデミー賞新人俳優賞、話題賞(俳優部門)を受賞した萩原聖人。現在、4年ぶりの主演映画『月の犬』が公開中だ。そんな彼のTHE CHANGEとは――。【第2回/全2回】

萩原聖人 撮影/河村正和 ヘアメイク/小口あづさ(NANAN) スタイリスト/中山浩一郎 衣装/1PIU1UGUALE3

22歳のトレンディ俳優が麻雀界へ。「かっこよく打ってこい」社長が背中を押した日

 なにかの取材で「麻雀が好き」だと話したら、それが噂として出回り、雑誌主催の『麻雀名人戦』に「出ないか」と声がかかりました。

 当然、所属事務所は大反対。だってトレンディドラマに出ている22歳ですよ。これからってときに麻雀って……それはダメでしょう。まあ、反対を押し切り強行突破するんですけどね。

 何より突き動かされたのは、「プロの方と打てる!」という喜びでした。伊集院静さんなど名だたる文豪の方も出ていらしたし、力試しをしたかったんですよ。

 1回戦で今も現役でいらっしゃる灘麻太郎プロと当たり、勝ち上がりました。そこから調子に乗ったのかもしれない。灘さんのせいですね(笑)。

 うしろで記録を取っていた採譜者をプロの方がやってくださっていて、そのときに「すごくいい麻雀を打つね」と声をかけられたんです。

 結局2回戦で負けましたが、そこからプロの世界との接点ができたんです。芸能界のトップクラスの大御所の方だけが出ていた麻雀番組『THEわれめDEポン』(フジテレビ系)の放送が始まり、僕にもオファーが来たんです。

 相変わらずスタッフからは「麻雀ってどうなの……?」という反対にあいましたが、その頃ですね、事務所の社長が言ったんです。

「道を行け。麻雀道を行け。麻雀道に行くならば、いいよ」と。ついに許可が下りたんです。ただ、こんなアドバイスももらいました。

「出るからには、ちゃんとかっこよく出てくれよ。負けたからって、ぶすっとしちゃあいけないし、勝ったからと言ってはしゃいじゃいけない。おまえは役者なんだから、役者として出なさい」

 つまり「かっこよく打ってこい」ということですよね。その言葉を胸に今までやってきました。まあでも……当時の僕には分かるよしもなく、一喜一憂していましたけどね。勝ちゃあうれしいし、負けりゃあ悔しいしね。