3年ほど「どうやったら歌手になれるか」考えた
それまでジャズにしか興味がなかったんですけど、ヒップホップにハマってからローリン・ヒル(※)と出会って、自分も歌いたいなと思っていたんです。ジャズのアルバムを作ってる期間から、次はもう“歌いたい”と思っていたので、これを出したら歌に行くって決めて、一度区切りをつけるためにピアノのアルバムを出しました。
そこから3年くらい、“どうやったら歌を始められるか”というのをずっと考えて準備していた期間がありました」
ジャズピアニストから、歌手活動を始めた甲田さん。一見、若き天才として全てを軽々とこなしているようにも思えるが、甲田さんは地道な努力をしてシンガーソングライターとしてのデビューをつかんだ。
「もともとピアノしかやってなかったので、周りに“歌を歌いたい”と言っても、自分がどういうことをやりたいと思っているのかが伝わらなくて。事務所や、レーベルの方にプレゼンをするにしても、自分で何か音源を持っていかないとまず分かってもらえないなと思って作詞作曲を始めました。
それまではジャズの曲はピアノで作っていたんですが、曲に詞を乗せるということはやっていなかったので、いちから始めて。