次々に新しい仕事が決まり注目される一方で、自身の心中にギャップを抱えていた

 16歳の少女は、その曲がのちのち自身の芸能人生を大きく変える“THE CHANGE”となるとは、夢にも思わなかっただろう。

 地元でレッスンを受けていたところ、周囲の勧めなどもあり、スターへの登竜門だったオーディション番組に出場。近年はアイドルグループのメンバーを選抜するオーディション番組が大人気だが、そうした彼ら、彼女らのように、過酷な挑戦を石川さんも乗り越え、見事チャンピオンに輝いた。

「18歳で、東京の芸能事務所からお誘いをいただいたとき、両親と話し合って“大学に通わせるつもりで、4年間上京させてください。その間に納得いかなければ戻ってきます”と、約束して送り出してもらいました。
 1978年にデビューしてからは、毎日慌ただしかったですね。当時は3~4か月ごとに新曲をリリースするのが一般的でしたし、翌79年からは人形劇『プリンプリン物語』(NHK)で声優のお仕事も始まりました。他にもレギュラー番組に出させていただけるようになったり、音楽賞では新人賞レースで注目もしていただきました」

石川ひとみ 撮影/有坂政晴

「でも、自分のなかではずっとモヤモヤしていて……。それで、自分になんでだろうって問いかけてみたんです。すると、“あれ、ちょっと待って。街中の人がみんな知っているようなヒット曲がない。石川ひとみとしての代表曲が出せていない!”と気づいたんです」