女優デビューした舞台『それいゆ』

桜井日奈子 撮影/三浦龍司

ーーどんな役柄でしたか?

桜井「戦中・戦後のお話で、画家の中原淳一さんに憧れていたけれど、ひょんなことからストリッパーになってしまうという役でした」

ーーたしかに、初舞台で演じるにはハードな役柄ですね。

桜井「いま思うと、ほんとうによくやったなあと。演出家の木村淳さんが、愛情を込めて指導をしてくださって、稽古期間中は毎日泣いていました。感情をあらわにして"ワーッ!”と泣き叫ぶシーンもあって、体中の血がすごい勢いで流れて、鼻血が出ることもありましたね」

 当時のゲネプロ時の会見でも、桜井さんは「パニックになっちゃって。みんなが“1人じゃないよ、がんばろう”と励ましてくれた」と明かしていたが、想像を絶する大きな壁があったのだろう。

桜井「精神的にも体力的にもきつかった。そういう状態まで持っていってくれた木村さんの愛の深さがなければ、私はそのあと"これからもお芝居をやってみたい”と思わなかったかもしれません。だから、木村さんにはすごく感謝しているんです」