「岡山の奇跡」にどうリアクションしていいかわからなかった
ーーさきほどうかがった「毎日泣いていた」というのは、役柄として泣く以外、桜井さんご自身としても泣いていたんですか。
桜井「はい。みんなの前でお芝居をすることに対しての羞恥心があったのと同時に、お芝居のプロに囲まれながら“自分はできない……”という劣等感だったり、いろんなことに感情を揺さぶられて、苦痛を感じたこともありました」
ーー「『岡山の奇跡』が女優デビュー！」という冠に、プレッシャーを感じたことも？
桜井「当時は『岡山の奇跡』と呼ばれても“はい、そうです”とも言えないし、“いやあ、そんなあ”と返すのも変ですし、どうリアクションしていいかわからなかったんですよね。
“このレベルで『岡山の奇跡』って。岡山ナメすぎでしょう”と叩かれたこともありました」
視聴者の軽口が、人知れず桜井さんに重くのしかかっていたのだ。
桜井「いまだに、マイナスな意見を目にしてしまうと気持ちが落ち込んでしまうこともあります。けど、これはもう仕方がないことだと割り切って、昔のように思い悩んだりはしていません」
「だからこそ、お芝居に出会えて、お芝居を“もっと知りたい！”と思える舞台と出会えてよかった」と話す桜井さんは、力強い眼差しで前を見据えた。
板垣瑞生（いたがき・みずき）
２０００年１０月２５日生まれ、東京都出身。２０１４年に『闇金ウシジマくんＰａｒｔ２』で映画デビュー。翌年、１万人のなかからオーディションで選ばれ『ソロモンの偽証 前篇・事件／後篇・裁判』で神原和彦を演じ、好評を博す。第２５回日本映画批評家大賞新人賞を受賞した。２１年にはＮＨＫ大河ドラマ『麒麟がくる』で森蘭丸役を演じ、多くの視聴者から注目された。
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桜井日奈子（さくらい・ひなこ）
１９９７年４月２日生まれ、岡山県出身。２０１５年にＬＩＮＥ ＭＵＳＩＣのＷＥＢ ＣＭに起用されると、あまりの美少女っぷりにまたたく間にその名が知れ渡り、“岡山の奇跡”と呼ばれるように。昨年４月までＮＨＫの『沼にハマってきいてみた』で初のレギュラーＭＣを担当するなど、幅広く活躍。
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ドラマ『夢で見たあの子のために』
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