神谷明「「写真を始めてから、何をやっていても楽しいです」

――お気に入りはどんな写真ですか?

「ずいぶん前のものになりますが、小石川の公園に小さな池があるのですが、そこに石があって、もみじが映っているんです。それが、石が浮かんでいて、もみじが咲いているように見えるんです。なんだか変な写真なんですけどね。
 最近は、カメラもレンズも重いので、本体を持ち歩くことは少ないのですが、スマホを持って歩きます。散歩でもなんでも、面白くってそこら中を歩いてます」

――写真をきっかけに出歩くこと自体が趣味になりますね。

「写真を始めてから、何をやっていても楽しいです。だから友人にも薦めてハマらせたんです(笑)。だいたい年に数回、仲間で旅行に行くようになりました。最初はそれぞれが撮ったものを、旅先でその日のうちにパソコンで見比べて『うわ、こんなところがあったの?』なんて、それぞれの視点を学んだりしてね。
 でもだんだん旅自体が楽しくなっちゃって(笑)。これまで京都によく行ってたんですけど、去年から奈良に行き始めたら、奈良がすごく面白くて。今春も行ったんですけど、一人のん兵衛がいまして。“歩いて春日大社に行って、東大寺に行こうね”って話してたんですけど、『ならまち』というとても風情のある町にある、『春鹿』って有名な酒蔵に最初に行ったら、もう後はどこにも行けなくなっちゃって(笑)。ほかは“また今度ね~”って」

――「また今度」というのも旅のだいご味ですね。

「奈良は古墳もたくさんあるしね。京都でもご飯を食べて喫茶店に行って甘味屋さんに行って、夜は居酒屋とか。あれ、何しに行ってるんだろ(笑)。男3人なんですけど、ずっと喋ってます。新幹線の中でもずっと。でも写真は好きですけど、目の前の食べ物をスマホで撮るとかはしてないですね。撮っとけばよかったなとか思うこともありますけど、注文して、目の前に来たら、おいしそうだからすぐ食べちゃうな」

 旅先で楽し気に話す神谷さんの声は、どこにいてもよく響いてバレバレに違いない。

神谷明(かみや・あきら)
1946年9月18日生まれ、神奈川県出身。冴羽商事代表。日本を代表するレジェンド声優のひとりであり、歌手、ナレーター、タレントなど幅広く活躍している。1970年に劇団「テアトル・エコー」に入団。声優として活躍中の所属俳優が多かったことから、声優としての活動を開始した。北条司による同名漫画をアニメ化し、87年よりテレビ放送がスタートした『シティーハンター』で演じた冴羽リョウを、自身でもっとも好きなキャラクターと公言する。2023年9月8日より『劇場版シティーハンター  天使の涙(エンジェルダスト)』が公開中。