貫地谷さんの家族と認知症について
『オレンジ・ランプ』では、夫の晃一を心配するあまり、彼の身の回りの世話を先回りしてなんでもやってあげようとする真央の姿が描かれていた。
「私は子育てを経験したことがないのでわからないですけど、やっぱり“手を離す”ってすごく難しいのかな、と。親はいつまでも私のことを心配しているように、きっと真央さんも晃一さんをすごく心配していたと思います。でも認知症の本人ミーティングに参加する仲間たちの姿を見て、彼女が変わっていったんだろうなと思います」と、真央の気持ちに理解を示した。
そこには、貫地谷さん自身の経験も影響しているようだ。
「いま、まさに母が認知症の祖母の介護をしています。祖母は本当にしっかりした先進的な女性で、本当に面白いおばあちゃんで、私の憧れそのものというか、こうなりたいと思う女性です。
私は、祖母とは間に母がいることもありちょっと距離があるから、“おばあちゃんもこういうふうになるんだな”って受け止められるんですけど、母はその変化を受け止めなきゃいけないっていうのと、今も“あんなにしっかりしたおばあちゃんがこれができなくなるなんて信じられない”、もう頭がついていかない、っていう状況みたいで。そこの境目がすごく苦しいのであって……。