西堀亮滝沢秀一マシンガンズは2023年で結成25年目。記念の年に迎えた大舞台での活躍は、多くの人の心を打った。最初にチャンスをつかみかけてから15年。辞めようと思った日もあったという西堀さんのTHE CHANGEとはなんだったのかーー。【第5回/全5回】

マシンガンズ西堀亮 撮影/THECHANGE 編集部

「芸人が、泣きながらしゃべってるのを聞いて、俺はゲラゲラ笑ってるんです。普通の人は笑わないんですよね。よく考えたら、俺も壊れてるんです。でも、聞いててやっぱり、叫びって面白いんですよね。ローであれハイであれ、いい。心の中を通すっていうのは、すごくいいです。そこを見たいんですよ。辛いよ、とか。そういう一言がほしいんですよね。
 業というか、そういうものが見たいんです」

 そう語る西堀さんの目は輝いていた。芸人の業に触れたい、という気持ちはたぎっているようだ。

ーーいま、すごい目でお話してましたが、インタビュアーとしても、西堀さんはいいお仕事しそうですね。

「でも、いまYouTubeとかで、話聞くやつあるじゃないですか。あれを見てると、そういう人にそんなこと聞くなよ、って思っちゃう。かわいそうな人にかわいそうなこと聞くなよ、って。かわいそうだと思ってる人にこそ、楽しいこと聞けよ、って思うんです。意外とみんな、楽しくやってるけどな、って思うんですよね」

ーー食べたいものを我慢しない、という芸人のお話をYouTubeでもされていました。

「そう。われわれは普通、ランチの値段を計算するわけでしょ。1500円、あっ、高いな、とか。でも、欲の吐き出し方で、1番上の欲を取らないと、そのまま残る、って聞いたことがあるんですよ。
 たとえば、3000円、2000円、1000円の食べ物があって、本当は3000円食べたいのに、2000円で我慢しても、その欲は消えないんですって。無理してでも3000円食べたほうが、絶対に満足度が高い、と。
 それを、芸人たちは日々実践してる。時給1000円の日雇いの肉体労働のアルバイトの昼休憩で、ふと目についた店の3000円のローストビーフ丼がうまそうだな、と思ったらそのままランチに行く。それを15分で食べて。うまかったな、って帰ってきて、また働くんです」