人気番組『有吉の壁』(日本テレビ)レギュラー、オフィシャルYouTubeチャンネルは登録者数79万人、今春からは冠ラジオ『真誠presents タイムマシーン3号のそろそろ売れてもいいんじゃない?』(CBCラジオ)がスタートするなど、結成24年目にしてタイムマシーン3号にプチブレイクの気配が漂っている。「ずっと食えてなくはない、でも売れてもいない、褒められもくさされもする変な芸人人生」と自ら称する山本浩司と関太の「THE CHANGE」とは――。【第1回/全5回】

タイムマシーン3号 撮影/石田寛

「暑いですね〜。ちょっと扇子失礼します」

 汗をかきながら現れた関さんが取材陣に一言ことわりを入れた。扇子がよく似合うのは恰幅の良さがなせるわざだろう。そのやりとりに、山本さんが「『扇子失礼します』って何? 丁寧すぎない?(笑)」と軽くツッコむ。

 テレビやYouTubeで受ける印象そのままに、タイムマシーン3号の明るさと仲の良さが伝わるやりとりからインタビューは幕を開けた。

 2人が最初に名を上げたのはNHKのネタ番組『爆笑オンエアバトル』だった。1999年より放送を開始した同番組は若手芸人の登竜門として機能しており、その後に続く2000年代お笑いブームの先駆け的存在だ。10組の芸人がネタを披露し、会場に集まった100人の審査員が「面白い」と思えば手元のボールを転がして投票、上位5組がオンエアを勝ち取れるというバトル形式をとっていた。

 タイムマシーン3号が初めてこのバトルに挑戦したのは2003年。見事そのまま初オンエアを勝ち取った。

山本「僕らは2000年デビューだから、3年目のときですね。番組スタッフがお笑いライブを見に来て気になった人に声をかけたり、各事務所に“何組か出してください”と話がいったりして集められていたんだと思います。それで僕らにもチャンスが回ってきました」

関「出たことがない芸人は前説に一回呼ばれる恒例がなんとなくあったんですよ。そこでコケて初挑戦までたどりつけない人もいたから、多分試されているところもあったんでしょうね。僕らは前説でまぁまぁウケたんです。それで番組側も“じゃあ出してもいいかな”となったのかなと思います」