緊張して喋れなくて、爪痕が残せない悔しさがめちゃめちゃ大きかった

ーーその後、恋人とは?

福岡「働くと同時に別れてから、人生が変わりました」

 ここに「私のいくつかあるうちのひとつのTHE CHANGEがあった」と福岡さんは話す。

福岡「転機は何度もありましたが、もうひとつは、いちばん出たかった番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系)に出させてもらったときです。すっごく、悔しかったんです」

 2020年9月23日放送回での、昔のアニメに関する説でのこと。『タッチ』のヒロイン浅倉南と名前が同じことに言及された福岡さんが笑顔を見せるものの言葉に詰まると、プレゼンターのますだおかだ岡田圭右さんが「薄~! リアクション! ええパスやでいま!」とツッコミむ。その後、笑顔で「ごめんなさい」のポーズをする福岡さんだったが、水面下で悔恨の念を抱いていたのだ。

福岡「たぶん浅倉南さんと名前がおなじ、という理由で呼ばれたんだと思いますが、放送を見たら本っ当に一言も使われていなくて、全部カット。いちばん出たかった大きな番組に出て、緊張して喋れなくて、爪痕が残せない悔しさがめちゃめちゃ大きかった。

 でも、この経験を経て気づいたのは、“爪痕を残そう”という気持ちでテレビに出るより、自分の世界観や自分がどういう人間を知ってもらうことのほうが大切では? ということでした。私は自分に自信があって。自分が持っているものをどう見せたらみんなが私のことをわかってくれるのかな、と考えるようになったんです」

 やみくもに爪痕を残すことより、等身大の自分を尊重した。さらに、「いちばん大きかった変化がある」と、福岡さんは続ける。