“こだわり”だと思っていたところにしがみついているかもしれない

ーー“イタさ”に直面することなんて、君島さんにもあるのでしょうか。

君島十和子「すごくありますよ。自分が発信する立場になると、自分のカラーといいますか、“君島十和子らしさ”を出すことを、30代の頃は標榜していたんです。が、あるとき、自分が“こだわり”だと思っていたところに、もしかしたらしがみついているかもしれない、と気づいたんです。

 そこにずっとしがみついていると、進化しなくて。こだわりがひとつの足かせになり、ずっと進化しない人になってしまうのでは、と思いまして」

 自己プロデュースによりパブリックイメージを定着させることは、もちろん、フォロワーに影響を与えるために欠かせない要素であることに違いない。が、一歩間違えれば、君島さんが話すように、足かせになってしまうのだろう。そこに目を向けた君島さんは、「自分を変えて、シフトしていこうと思った」と、自身がCHANGEしたきっかけを教えてくれた。

君島「年齢を重ねるから失っていくものも多いし、そこに流行だけを取り入れていたら、イタくなるわけで。そのバランスの取り方が、すごく難しいんですよね。難しいけれども、そこは考えなければいけない。

 バランスを決めるのは、自分のセンスなんですよね。そのセンスこそ“君島十和子”なのであって、変化を見せていくことこそが、センスだと思ったんです」

ーーそれが新たな、“君島さんらしさ”なのだと。