裸の王様になってしまう。それがいちばん恐ろしい
君島「だから、トライアンドエラーを繰り返しましたよ。その中で、正解のようなものを生み出していく。その上で大事になってくるのは、客観的な意見だと思います。自分でも客観的な視点を持たなければならない一方、身内やパートナーの意見は、あるとき、すごく的を射ていますからね。意見をいただきやすい環境を作るのは、大事かな」
ーー誉幸さんの意見はいかがですか?
君島「めちゃめちゃ厳しいんです。“それ、似合わない”“それ、おかしい”と、はっきり言ってくれます。そこには自分の好みも入ってくるとは思いますが、私がそこで“なんでそんなことを言うの!?”なんて言ってしまったら、裸の王様になってしまう。それがいちばん、恐ろしいんです」
ーー周りが意見できない存在になると、その悪影響が自分に降りかかってしまうんですね。
君島「特に美容業界はそうです。どんどんどんどん、日進月歩で進んでいく時代で、消費者の皆さまはそれを肌で感じている。だからこそ、とどまっている人の言うことなんて、聞きたくないと思うんですよ。
新しいもの、正しいものはなに? ということを消費者は求めているので、そこを見せていかないと、信頼性には繋がらないんです」
完全無欠に見える君島さんも、現在進行系でトライアンドエラーを繰り返し、柔軟に変化し続けているのだ。
君島十和子(きみじま・とわこ)
1966年5月30日生まれ、東京都出身。雑誌の専属モデルや女優として活躍後、君島誉幸さんとの結婚を機に芸能界を引退。マスコミに追われる日々を経て、1998年に『25ans』で結婚後初めて美容の記事が大反響。2001年に、現在クリエイティブディレクターを務める株式会社FTCの前身であるセレクトショップ「フェリーチェ青山」をオープン。美容の世界に舵を切り、多くの美容アイテムをヒットに導く。近年ではバラエティ番組にも出演し、公式YouTube『君島十和子チャンネル』やSNSでも精力的に発信中。2人の娘がおり、長女は元宝塚歌劇団月組娘役の君島憂樹さん。今年4月、9冊目となる著書『アラ還十和子』(講談社)を刊行。