185センチの大きな身体。『るろうに剣心』シリーズの相楽左之助をはじめとして、いわゆる男くさいキャラクターがよく似合う青木崇高。もともとは強く俳優を志望していたわけではなかった青木さんだが、いまは「エンターテイメント」と、俳優の可能性を強く信じていることが伝わってくる。そのTHE CHANGEとはーー。【第3回/全4回】

青木崇高 撮影/冨田望

  俳優という職業は、人間同士のぶつかり合いがあれば、完全CGとの相手との芝居を要求される場合もある。映画『ゴジラ-1.0』では、VFXに定評のある山崎貴監督が生み出した、そこにいるとしか思えないゴジラと対峙した青木さん。しかし、当然ながらそのゴジラはCGで作られたもので、青木さんたち生身の俳優は、そのゴジラにリアクションすることになる。

 「演じる際に、ゴジラは目の前にいない。想像していく。スタンバイして、“じゃあゴジラさん、バミリ(撮影収録時に出演者の立つ位置を示した印)のところにお願いします。はい、スタート”ってわけにはいかないわけです」

――(笑)。いない相手との演技ですからね。すごく難しそうです。

 「でも、演者としては一番の基本だと、僕は思います。今回、条件としてゴジラの顔、目の高さといったことは聞いていましたが、重要なのはゴジラを見て、自分たちが何を思うのかだという話をしていました」

 ――何を思うのか、ですか。