ゴジラという概念は捨てないといけない

 「実際にゴジラを目にしたら、“あれは何だ?”となりますよね。僕だったら、恐竜の生き残りが現れたのかなと思うんじゃないかと思います。ゴジラなんて概念はないですから。夢を見ているのかなと思うかもしれない。命の危険性をすぐに感じるのか、何も反応できずに、ただぼーっと見ている不思議な奴がいるな、と思うかもしれない。リアクションはそれぞれあっていいと思いますが、とにかくゴジラという概念は捨てないといけない。そこから始まる感覚でした」

――青木さんが演じた海軍航空隊整備部の橘は、一緒にゴジラに遭遇した主人公の敷島(神木隆之介)に指示を出したり、仲間たちに「逃げろ!」と言ったりできる人でした。

「隊を背負っている以上、ギリギリ理性がとどまっていた人物だったのだと思います。本当は訳がわからないし、逃げたいという気持ちはあると思いますけど。 “行くぞ”と言いながらも手は震えているかもしれないし、母親とか家族のことを思っているのかもしれない。

 ストーリーラインはもちろんありますが、自分がどう思っているかを大切にしていく。そうした感情の動きが、映画をご覧いただいたときに伝わっていただけたら嬉しいです」