私ってモノマネされないタレントなんです
以前から需要があった声を、ミッツさん自身は「私の声は特徴がない」と分析する。
「美輪明宏さんにしろ、美川憲一さんにしろ、マツコ(デラックス)さんにしろ、IKKOさんにしろ、記号的な声やフレーズが、みなさんそれぞれあるじゃないですか。私って、全然モノマネをされないタレントなんですね。たぶん、口癖がなければお決まりのフレーズもないですし。かといって代表作のセリフみたいなものも特にないので」
ーーたしかに、ミッツさんのモノマネ、見たことがないかもしれません。
「モノマネを見るのは好きなんですけど、自分の声はやりようがないだろうなって思います。でも、それこそコージー冨田さんが最初にタモリさんをやったときみたいに、誰かが掴んだらやってくれるようになるのかなって」
取材中も、ゆっくりと、心地の良い言葉を響かせてくれたミッツさん。先輩がひとりじめしたくなる気持ちもうなずけるのだ。
ミッツ・マングローブ
1975年4月10日生まれ、神奈川県出身。幼少期をロンドンで過ごし、帰国後、慶應義塾高校に入学。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、英国ウェストミンスター大学コマーシャルミュージック学科へ留学する。20代中盤より、新宿二丁目でドラァグクイーンとして活動をスタート。『5時に夢中!』(TOKYO MX)、『スポーツ酒場 語り亭』(NHK BS1)、『GINZA CASSETTE SONG』(BS-TBS)にレギュラー出演中。2005年に同じく女装家のギャランティーク和恵、メイリー・ムーとの女装歌謡ユニット「星屑スキャット」を結成し、2012年に『マグネット・ジョーに気をつけろ』で配信デビュー。精力的にリリース、全国ライブツアーを行っている。