テレビ番組での歯に衣着せぬコメントで存在感を発揮した女装家、ミッツ・マングローブさん。ドラァグクイーン、高学歴タレント、徳光和夫さんの甥……などさまざまな肩書きでメディア進出をしたミッツさんだが、本人の口から語られるのは、意外な素顔だった。ミッツさんのTHE CHANGEを探る。【第2回/全5回】
ミッツ・マングローブさんといえば、小・中学校をロンドンですごし、慶應義塾高等学校に入学、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業した経歴から、”高学歴タレント”として知られる。かとって鼻につくところはまったくないどころか、取材中もフラットな視線をこちらに送ってくれる。
そんなミッツさんだからこそ適任といえるのが、10月10日より配信が開始したAudibleのオリジナルポッドキャスト番組『if…』の番組ナビゲーター。「もし・・・だったら。人生は、日本は、そして世界はどのように変わっていたのだろうか?」というテーマを掲げ、最先端の研究者やクリエイターと語り合う。
第1回の配信は、明治維新前後について話が展開されたのだ、がーー。
「全然わからなくてびっくりしたんですよ。江戸時代の話だっけ? 明治維新だっけ? とにかく明治維新前のことが、本当にびっくりするくらいバカで。織田信長とか徳川家康とか、聖徳太子とか、卑弥呼とか、実在した人なのかどうかの区別がついていないんです」
“高学歴タレント”の口から飛び出す意外な事実。率直すぎる告白を、ミッツさんはこともなげに繰り出す。
「たとえばじゃあ、暴れん坊将軍はいたのかとか、銭形平次はどうなのかとか、そういうのが全部一緒くたになってる。いわゆる、侍系のものがね。“テストでここが出るからここを覚えろ”と言われたことしか覚えてこなかったので。もちろん歴史の因果関係もまったくわかっていないし、たぶん、歴史全体の流れに、興味がないんだろうなと思います」
ーーじゃあ、今回初めて知ったこともたくさんありましたか?
「いっぱいありました。一番衝撃だったのは、福沢諭吉。江戸時代に生まれたって、初めて知りました」
ーーあー、たしかに。母校の慶應義塾の創立者ですね。
「でもその通りなんですよ。慶応って明治くらいに出来たんでしょ?(起源は安政5年に開校した『蘭学塾』。明治元年に『慶應義塾』と定められた)ってことは、よく考えたら江戸時代に生まれているに決まってるじゃないですか。そういうものを、専門家の人に言われて初めて気がついたんです」