55歳。映画、ドラマ、舞台とますます乗っている俳優・佐々木蔵之介。朝ドラ『オードリー』で注目され、『ハンチョウ』シリーズ、映画『超高速!参勤交代』ほか多くの作品で知られ、主演ドラマ『マイホームヒーロー』も放送中の佐々木さんは、舞台出身の確かな演技力と存在感、魅力的な声で現れるだけでその場を支配する。そんな佐々木さんのTHE CHANGEを聞く。【第3回/全4回】

佐々木蔵之介 撮影/冨田望

『ゴジラ-1.0』で主人公・敷島(神木隆之介)が乗る船「新生丸」の艇長を演じている佐々木さん。戦後、すべてを失った彼らは、生きていくために身を寄せ合う。

――佐々木さんが演じる秋津淸治たちの姿は、疑似家族のように映りました。

「秋津自身は語ってはいませんが、彼はもともと海軍にいて、自分の部下や大切な仲間、そして家族も失った人なんだと想像しました。だからこそ、神木くんとは家族のように、山田(裕貴)くん演じる水島には小僧とか言いながら、我が子のようにしっかりと育ててあげたいと思って接していたのだろうと。吉岡(秀隆)さんとは同期の仲間のように。みんな家族のようにありたいなと」

――その中で家長、リーダーとして立っている秋津ですが、そうした役が佐々木さんはとてもお似合いです。

「映画全体の役割としても、感情面としてのリーダー的な役割も担っていたので、秋津がきちんと引っ張って陽気な愉快なシーンを生み出せればいいなと思っていました。彼も相当な体験をしてきたと思うんですが、愉快で心温かい状況に常にもっていこうとしているなあと感じたんです」